泌尿器ワークショップ

ワークショップ8
高異型度尿路上皮癌の診断を容易くするための細胞所見を見つける

尿細胞診を専門とされない病理医・細胞検査⼠の⽅に、診断に苦慮した⾼異型度尿路上⽪癌症例あるいは⾼異型度尿路上⽪癌との鑑別が必要な症例を提⽰していただきます。その症例について、尿細胞診を専門とされる病理医・細胞検査⼠の⽅に推定診断と診断にいたる過程を⽰していただき、それによって、⽇常の尿細胞診に活かせるノウハウを会場全体で議論することを目的としたスライドカンファレンス⽅式ワークショップを⾏う予定です。

【閲覧方法】

<運営事務局からお願い>

アクセスが集中して、繋がりにくい場合がございます。その場合は恐れ入りますが、少し時間を置いてアクセスいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

  • 以下のURLにアクセスしてください。
    〔バーチャルスライド標本〕
    http://w-hupath.wakayama-med.ac.jp
  • ユーザーネームおよびパスワードはいずれも「jscc65」(英字はすべて小文字)とご入力の上、サインインしてください。
  • 閲覧のアイコンをクリックして、各画像をご確認ください。

    フォーカスを変更する場合は、キーボード Ctrlボタンを押しながらマウスホイールを回していただくか、もしくは画像右側に表示される深度を変更していただく事で切り替えられます。

  • 症例提⽰者が解説者に提⽰したい細胞などがバーチャルスライド上にマーキングされ、コメントが付与されている場合があります。

WS8-1
尿管結石のフォロー中に異型細胞が出現し,尿細胞診を施行した一例

症例提⽰者 松永 由紀 一般財団法人住友病院病理診断科
解説者 池本 理恵 エスアールエル福岡ラボラトリー
年齢/性別 70歳代,男性
主訴 なし
既往歴 両側尿管結石,右腎結石
現病歴 上記に対してフォロー中の患者.定期的に施行していた尿検査にて核形不整を伴う細胞の出現を指摘されたため,尿細胞診を施行された。
検体 自然尿
処理方法 2回遠心法
染色 Papanicolaou染色
疑問点 異型細胞の解釈,組織診断について

WS8-2
高異型度尿路上皮癌か反応性良性細胞かの鑑別に苦慮した1 例

症例提⽰者 小嶋 健太 独立行政法人国立病院機構九州医療センター臨床検査部
解説者 岩田 英紘 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 病理
年齢/性別 50歳代,男性
検査材料 自然尿
標本
作製方法
LBC(SurePath)
現病歴 吐き気と胸部不快感のため他院を受診.その際,左尿管壁肥厚を指摘され精査加療目的に当センター紹介受診.画像検査にて腎結石と左上部尿管内に13mm 大の低信号域,左尿管壁肥厚,その周囲の脂肪織混濁を認めた.血液検査では赤血球数やヘモグロビン値の上昇,尿一般検査にて潜血と白血球反応を認めた。
疑問点 由来細胞を推定するための所見の捉え方について.判定カテゴリーを決定するまでの考え方について。

WS8-3
判定に苦慮した膀胱憩室内膿瘍が疑われる尿細胞診

症例提⽰者 森河 由里子 徳島大学病院病理部
解説者 塚本 龍子 神戸大学医学部附属病院
年齢/性別 50代,女性
主訴 腹腔内膿瘍
既往歴 X-26 年神経因性膀胱にて間欠的自己導尿(CIC)施行を開始経過にて特記事項なし
現病歴 X 年.1 月〜左腰痛が出現した。X 年.5 月〜尿混濁が生じたため,膀胱炎を疑い抗生剤を投与した。X年.6月膀胱鏡にて炎症所見,粘膜浮腫を認めた。X年.7月〜発熱を認め,精査.培養でGPC4+,GNR4+,GRP3+であり尿路感染症として治療を開始した。X 年.11 月〜腹腔内膿瘍再発疑いで精査の結果,膀胱憩室内膿瘍を疑われ,ドレナージ・抗生剤治療を開始した。また,血液検査で高Ca 血症を認めたが,全身精査で明らかな腫瘍性病変は見られなかった。X 年.12月膀胱鏡にて,三角部から後壁にかけて,粘膜隆起性病変を認めた。また,膀胱粘膜に浮腫様変化が見られた。
検査材料 自排尿
標本
作製法
オートスメア
染色 パパニコロウ
疑問点 高度の炎症や壊死を背景に扁平上皮に分化した細胞や,変性を伴う異型尿路上皮細胞が見られるが,それらをどう評価するか。

WS8-4
診断に苦慮した尿管カテーテル尿の1 症例

症例提示者 今川 誠 KKR 札幌医療センター病理診断科
解説者 大谷 博 白十字病院 病理診断科
年齢/性別 70代,男性
検査材料 尿管カテーテル尿
標本
作製法
LBC(BD サイトリッチレッド):パパニコロウ染色オートスメア:メイギムザ染色
既往歴 大腸ポリープ切除,虫垂炎,前立腺癌
臨床経過 2年前に血尿にて当院泌尿器科を受診。膀胱壁左側に乳頭状腫瘍が認められ,経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)を施行。病理診断は,Non-invasive papillary urothelial carcinoma,low grade,G2,pTa。半年後に再発病変が確認され,TUR-BT を再度施行。病理診断は,Non-invasive papillary urothelial carcinoma,high grade,pTaであった。その後,BCG膀胱内注入療法を8回施行。1年後に膀胱に再発を疑う所見が見られ,CT検査を行ったところ左尿管壁肥厚を認めた為,左尿管カテーテル尿が採取された。
疑問点 腎盂・尿管領域を対象とした分腎尿細胞診の細胞の見方および判断基準

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